アナログ計器
【はじめに】
こんにちは、最近はジャルジャルのyoutubeを作業用BGMにしています。おもしろすぎてすすまない
今回はアナログ計器について書きます。よくオシロとかスペアナとか使うけど内部構造を知らないなあと思ったのがきっかけです。デジタル計器とアナログ計器は大きく違いますが、まずはアナログ計器を勉強してみようと思います。
【アナログ計器の要素】
アナログ計器は、大きく分けて3部分に分かれています。
- 駆動装置
- 制御装置
- 制動装置
1. 駆動装置
駆動装置は、得た電流や電圧、電力をトルクなどの力に変換する部分です。ここはアナログ計器それぞれによって違いがあります。
可動コイル
永久磁石の間に可動コイルをはさみ、可動コイルに電流を流します。すると、永久磁石の磁場、流れる電流によってコイルにローレンツ力が発生します(フレミング左手の法則)。このとき、
F=K×I×B
ですから、電流に比例したローレンツ力が発生します。なので、メモリは平等に振ることができます。一方で、交流を計ることはできません。コイルに流れる電流の正負が交互に変わるからですね。
可動鉄片
ある固定コイルで囲まれた固定鉄片と可動鉄片が存在します。固定コイルに電流を流すと、固定鉄片に電流が流れます。固定鉄片と可動鉄片は互いに磁化し、反発しあいます。電極の強さmに対して、磁場Hは
m = K × H
という関係があります。すると、固定鉄片と可動鉄片の距離を l とおくと、求めるトルクは
T = (m固定 × m可動) / (l × l)
=(K固定 × H固定 × K可動 × H可動) / (l×l)
H = I / 2πr
ですから(ビオサバール)、可動鉄片におけるトルクは電流の二乗に比例することになります。つまり、電流の瞬時値の平均(実効値)を示し、可動コイルとは違ってメモリは平等になりません。
電流力計形計器
可動コイルの磁石部分をコイルにおきかえたものです。コイルが二つあり、電流の二乗に比例したトルクが発生します。
熱電計
二つの異なる金属をつなげて、その二つの接点に異なる温度を与えると、金属間に電圧が発生します。(ゼーベック効果)いわゆる熱電対ですが、この電圧や温度を計測します。
当然ですが、同じ金属同士では電圧は発生しないし、純度が低いと誤差も発生します。
誘導計
円状のアルミ板と、それをはさむように設置した電圧コイルと電流コイルを配置します。 コイルに測定電流を流すと、アルミ板対して垂直に磁束が発生します。するとアルミ板にはそれを妨げる方向に誘導電流が発生します。電圧コイルとに発生する電圧磁束は電圧位相に対して90°遅れるため、フレミングによって板に回転力が生じます。
最もよく使われているのは可動コイルです。熱電対とかやってみたいですね
2.制御装置
制御装置は、トルクによって回転し続けてしまう指針を止める役割を持ちます。例えば、可動コイルでは、コイルが回転し続けてしまうことを、ばねによって制御してしまいます。
3.制動装置
指針の振動を止める役割を持ちます。トルクと制動装置の応答が不対応だと、適切な計測量を指すのに時間がかかってしまいます。そこで、空気抵抗などを用いてその対応を制御します。