推しを推すだけの人生

可読性のなさには自信があります

アナログ計器2

【はじめに】

こんにちは,最近は東山奈央さんの活動5周年でオフィシャルブックの発売が発表されて泣いています.何冊買おうかな

今回は前回のアナログ計器の続きです.前回は計測機構に注目しましたが,今回は現物として存在するアナログ計測器を勉強していきます.

【テスター:基本事項】

いわゆるテスターです.プローブを当てて電流とかを計測するやつですが,今回注目するのは,指針で計測量を表示するアナログテスターです(以下テスターと表示しますが,特に断らない限りアナログテスターを指します.).自分はもっぱらデジタルテスターを使っていますが,計測器を使う以上はアナログ領域の知識ももっておいたほうがいいかな,みたいなテンションで勉強していきます.これに限った話ではないですが,自分が使うツールの原理を知るのはとても勉強になりますね.

まずテスターは直流を計測に用いています.これは,交流は正負が互い違いに来るためです.詳しくはアナログ計器1を参照してください.交流を計測したい場合は,ダイオードなりで整流してやる必要がありますね.次に,アナログテスターは計算に内部抵抗を用いています.アナログテスターは内部にコイルを持ちますが,これが内部抵抗をもちます.

では,最初に直流を用いて電圧を計測する方法を考えてみようと思います.とはいっても,直流電流計と直流電圧計はただ表示ラベルを替えただけでほとんど一緒です.例えば内部抵抗が 10kΩ とすると, 5V であれば, I = V/R より, I = 500μA です. 一方で, 10V であれば, I = 1mA になります.つまり, 5V <=> 500μA, 10V <=> 1mA を対応させれば電流と電圧の相互変換ができます.流れた直流とその計測値の対応は,アナログ領域で行います.つまり,5V ならコイルはこれくらいかたむく,みたいな感じでしょうか?

【テスター:測定レンジ】

さて,テスターには測定レンジがあります.つまり,例えば 10V が max であるテスターで,10V 以上流したらそれは計測器が振り切れて壊れてしまいます.そこで,測定レンジを拡張するために倍率器を使います.前述の例では,内部抵抗が 1kΩ の場合,1V レンジで 1V に 1mA 流せばフルスケールになります.このとき,仮に 3V 測定したくて,5V レンジにするとします.そうすると,5V で 1mA 流れてくれればよいので,必要な内部抵抗は 5kΩ になります.すでに 1kΩ が実装されているので,残りの 4kΩ を直列につなげてあげればOKです.この切り替えをスイッチ的にやることで,(つまり 1kΩ と 4kΩ の境目で切り替えることができればよい.)内部抵抗を変化させることができます.

一方,直流電流を計測するときは,許容電流量に注意する必要があります.例えば 1mA が限界のテスターに 10mA を流したい場合,分流回路を実装する必要があります.すなわち,9mA を分流回路に流し, 1mA を計測部分に流すことで許容電流を考慮しつつ,測定することができます.

【テスター:測定誤差】

仮に 直列接続された二つの抵抗において,R1 = R2 = 3.3kΩ として,電源 10V とします.このとき,R1 と R2 にかかる電圧は 5V になるはずです.では,ここで,内部抵抗が 10kΩ のものを使って,R1 に印可される電圧を考えます.,R1 と並行接続で合成抵抗値は 2.481kΩ になります.するとテスターによる計測結果は 5.70V になります.誤差は 12% ですので,これは測定に失敗していますね.一方で,内部抵抗が 100kΩ とすると,合成抵抗値は 3.194kΩ なので,計測結果は 5.117V になります.誤差は 1.94% なので,これは許容できます.内部抵抗は,測定レンジを変えることで調整できるので,測定レンジに気を遣う必要があります.

【次回】

次は抵抗器とかヒステリシスとか調べます.なかなかオシロにたどり着けないですね