推しを推すだけの人生

可読性のなさには自信があります

興味がありますシリーズ/生物音響

【はじめに】

こんにちは,最近はアニメで古見さんを見ています.最近のアニメはクオリティ高くてすごいですね

今回は興味があることを勉強するだけの回です.続くといいなと思っています

【生物音響について】

生物音響はその名の通り生物学と音響を合体させた分野です.例えば,コウモリが超音波を聞いていることは有名な話ですが,コウモリが聞けて人間が聞けない周波数領域に対する聴覚機構がどうなっているのか,みたいな差分をしらべることで,コウモリの生態を知ることはもちろんですが,人間の聴覚機構を知ることもできます.そういったところにこの分野の意義があるのだと認識しています.こうした知覚実験は,対人間は簡単ですが,人間以外に対する実験となるとコミュニケーションが取れないので,定性的な判定が難しそうだなと思っています.また,聴覚機構に関しても,現在の自分の知識は教養の範囲を逸脱しないので,そういったことを知れたらいいなと思っています.

【聴覚】

1.ヒト

まず簡単に,ヒトの聴覚について説明します.ヒトの耳は,顔から飛び出てる耳介を起点に,外耳,中耳,内耳,耳神経と続いていきます.外耳は耳介~鼓膜,中耳は鼓膜~蝸牛,内耳は蝸牛~耳神経を占めていて(蝸牛は内耳に含まれます),それぞれに役割があります.

外耳

外耳は,外界の音を増幅して中耳に伝える機能を持ちます.管楽器のイメージですね.増幅された音は鼓膜を揺らし,中耳に伝わります.

中耳

中耳は外耳から得た振動をさらに増幅して内耳に伝えます.中耳の中には3つの耳小骨が存在し,鼓膜に近い部分からツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨といいます.ツチ骨は鼓膜に接触していて,他の二つの骨もそれぞれ耳小骨と接触しています.いわゆるてこの原理で音が増幅される,というわけです.

さて,中耳と外耳は鼓膜で仕切られているわけですが,それぞれの内部の圧力は等しくある必要があります.中耳の圧力が低ければ,原子分子の動きが弱いので,うまく伝わらないことがイメージできると思います.この圧力は,中耳の換気機能によって保たれています.

内耳

内耳は中耳から得た信号を,いよいよ神経に伝達する部分です.感音部といいます.(外耳・中耳は伝音部といいます.)中耳のアブミ骨は蝸牛の前庭窓と接触していて,振動を蝸牛に伝えます.蝸牛内部にはリンパ液が充填されており,リンパ液が振動します.蝸牛内部(蝸牛の壁)についている有毛細胞がその振動を受信し,神経,大脳,へと伝えるわけです.有毛細胞はそれぞれに担当する周波数が決まっており,位置依存性があります.また,有毛細胞は生え変わることはなく,(クジラとかは生え変わるらしいですが)一度喪失したら元に戻ることはありません.これが難聴の原因であります.ちなみに前述の難聴は感音性難聴といい,内耳が原因で起こります.外耳,中耳が原因の難聴を伝音性難聴といいます.

聴覚機構の成長

さて,胎生期は当然聴覚機構が完成していません.成長とともに完成していきます.例えば,蝸牛は最初は巻いておらず,ツノのような形をしていきます.成長に伴い回転数が増し,成人の蝸牛となります.これは聴覚機構の進化をなぞっています.おもしろいですね.さらに,耳小骨も最初はただの骨ですが,次第に成人の形を形成します.一方で,コルチ器(有毛細胞のあるところ)は蝸牛と同時に発生しています.

2.哺乳類

哺乳類の聴覚はヒトと同じとは限りません.そもそも陸生と水生で分岐しますので,そこで分かれます.

陸生哺乳類

陸生哺乳類の聴覚機構は,ヒトと大まかな部分は近似しています.陸生哺乳類の聴覚機構の特徴は,まず耳小骨が3つ存在することです.他の類目は鼓膜と内耳の結合がコルメラという骨一本であったりします.また,空気の振動が鼓膜から耳小骨を伝わるのも哺乳類の特徴です.他の類目は頭蓋骨や下顎が聴覚の交通を担っている場合があります.

水生哺乳類

クジラとかですね.クジラはもともと陸生哺乳類から派生しており,陸生で活動していた哺乳類が海へ還った結果水生哺乳類が生まれました.水生に変化しても,魚類だったころの内蔵機能はもはや元に戻らず,哺乳類であることの特徴を活かした聴覚機構をもつことになります.クジラは耳介が埋まっており,外耳をもちません.そのため,水中の振動を下顎からうけとり,中耳に促しています.中耳は耳骨の中に存在しますが,耳骨は頭蓋骨が発達してできたものです.

3.魚類

魚類は側線というものを聞いたことがあると思います.水中で水圧の変化を感じることができる器官です.しかし,陸生動物の出現に従って,魚類は空中の音を内耳で受け取る必要性がでてきました.それに伴い,魚類の聴覚機構は進化します.魚には外耳・中耳がなく,内耳が頭蓋骨のリンパ中に浮かんでいる状態になります.また,内耳にも蝸牛がなく,迷路状の器官が存在します.

4.両生類

両生類に外耳はなく,鼓膜が内耳と直接結合しています.この結合を担っているのはコルメラという骨です.一方で,例えばカエルは肺を使って音を聞くこともあるそうです.カエルはメスがオスを選ぶときに鳴き声を使いますが,カエルの鼓膜は小さいため,低周波の音を聞き取れない可能性があります.そこで,カエルは耳から得た信号を肺を経由させ,肺の振動を音源定位に活用しているということです.

5.爬虫類

例えばワニやカメは中耳を持ちます.鼓膜を使って音を聞いているため,気導を使っていることになります.一方でヘビは気導を持たず,地面からの振動を下顎からうけとり,それを内耳に伝えています.

【次回】

なんか聴覚だけでかなりいろいろ知れたので満足しました.次は生物音響のうち,発話やコミュニケーションについて勉強します.

【参考文献】

音響学の展開/コロナ社出版

様々な動物の聴覚

カエルは“耳でなく肺を使って”音を聞いている

魚に耳はあるのか

クジラの視覚と聴覚